うだがわんの思考

人には言えない事を書きます

著:カミュ「異邦人」書評

前回は突然の時事問題に触れました。もちろん差別問題だけが重要ってわけではありませんがこういったニュースを取り上げて自分なりに掘り下げることが人として、社会としての成長につながると思うし自分が世界史を学ぶ理由でもあります。

 

今回は一昨日読み終えた「異邦人」についての感想文を少し書こうかなと思う。200p満たない短編のため本を読み慣れている人であれば一日または数時間で読み終えることができるでしょう。

展開としては母の死から始まり、海水浴に行き、そこで居合わせた罪と向き合った結果死刑判決が下されるという場面の動きが激しい物語であり、理不尽を追求した作品である。この本を聞いたことがあるなら主人公の名台詞「太陽のせいだ」も聞いたことがあるだろう。具体的にどんな罪を犯したなどは本編をぜひ読んでほしい。ただなぜこの罪に死刑判決が下ったのか甚だ疑問である。この主人公の特徴的なところはかなり情緒が落ち着きすぎているところでまた宗教を信じていないことにもある。彼の行動が人に裁判にどう影響したのかじっくり吟味してもらいたい。

ところで名著ってなんだろう。なぜカミュの処女作「異邦人」は名著なのか、また他の作家であるにしてもその作品を名著たらしめる要素はなんだろう。最近は世間が判断した「名著」というものを読みあさっているが、如何せん普段から読んでいなかったものだからこれらの価値を見出す能力がまだ乏しいのだ。価値観は人それぞれではあるが「名著」はその70億のほとんどの価値観に合った本であるといえるだろう。何せ一人の著名人が絶賛したわけではなく、多くの人に読み親しまれ人気を博し、批評家がそれを絶賛したことで「名著」に昇格する。

言い換えたらこういった数多くの「名著」に威厳を感じない人はかなり特別な価値観を持っているのではないだろうか。言い換えれば特殊な価値観を持っている人は人とは違うオノマトペをつけているのだろう。なんだか羨ましい。